【インタビュー】「我が子を安心して預けられる場所を」——教員と親の経験を糧に、地域と歩んだ5年間の軌跡
株式会社健生の開業支援を受け、東京都小金井市で「木の葉クラブ」をオープンして5年。 元教員であり、障がいを持つお子さんの母でもあるオーナーの島田様に、開業のきっかけから経営安定の秘訣、そして支援会社との関係性について詳しくお話を伺いました。

「我が子を安心して預けられる場所を」
——教員と親の経験を糧に、地域と歩んだ5年間の軌跡
【事業所プロフィール】 木の葉クラブ(東京都小金井市)
児童発達支援・放課後等デイサービスの多機能型事業所。地域社会との繋がりを重視し、イベント参加やボランティア活動を積極的に行う。現在、45名の利用者と契約し、地域から厚い信頼を寄せられている。
1. 開業のきっかけ:一人の「親」としての違和感から
——はじめに、開業に至った経緯を教えていただけますか?
島田様: 私には30歳になる長男がいます。彼は生後まもなく髄膜炎を患い、知的障がいがあります。私は31年間、私立の中高一貫校で社会科の教員をしてきましたが、同時に障がい児を育てる一人の親でもありました。
息子が高校を卒業する頃に「放課後等デイサービス」という制度ができ、近所にも事業所が増えました。しかし、送迎の様子やサービスの質を目の当たりにした時、正直「ここに我が子を預けるのは不安だ」と感じてしまったんです。雰囲気が良くない、サービスの質に疑問がある……。それなら、親の目線で、そして教員の経験を活かして、本当に安心できる場所を自分で作ろうと考えたのが始まりでした。

2. パートナー選び:「ビジネス」ではなく「関係性」を重視
——数ある支援の中で、なぜ健生の支援を選ばれたのでしょうか?
島田様: ネットで調べるとフランチャイズ(FC)が多かったのですが、私は自分の「色」を出したかった。お話を伺ったFCの中には、仕組みがガチガチで「ビジネス」という印象が強いところもありました。
そんな時、東京のセミナーで健生さんに出会いました。営業の方がガツガツしていなかったのが印象的で…。その後、実際に健生さんの支援で開業した八王子の事業所を見学させていただいた際、オーナーさんとスタッフさん、そして健生さんの関係性が非常に良好だったんです。「ここなら、寄り添って一緒に歩んでくれる」と感じて依頼を決めました。

3. 開業の壁:難航した物件探しと、都内ならではの苦労
——開業までで一番大変だったことは何ですか?
島田様: 物件探しですね。東京都内、特に小金井市周辺は激戦区です。良い物件だと思っても、公表前に保育園に押さえられてしまったり、家賃や建蔽率の問題で断念したり……。 でも、コンサルタントの方が親身にサポートしてくれました。難しい地域だからこそ、プロの視点でアドバイスをいただけたのは本当に心強かったです。
——スタッフの雇用や教育で、特に意識されていることはありますか?
島田: 実は、開業当初は「とにかく人を揃えなければ」と焦って採用し、うまくいかなかった経験があります。それからは、一人ひとりの悩みや特性に徹底的に寄り添うようになりました。 毎日欠かさず全員で「朝のミーティング」を行い、非常勤スタッフも関係なく全員で情報を共有できる「なんでもノート」を活用しています。また、年に数回は皆で食事に行き、悩みを聞く場を設けています。事業所として利用者、保護者だけでなく働いてくれる職員たちのケアをしていくこともオーナーの役割だと思っています。

4. 経営安定の秘訣:地域に根差し、足で稼ぐ「信頼」
——開業5年目、45名もの契約者がいらっしゃると伺いました。経営を安定させるコツはどこにあるのでしょうか?
島田様: 大きく分けて3つあります。
「児童発達支援」からの継続利用
現在の利用比率は「児発2:放デイ8」です。未就学児を対象とした「児童発達支援」から受け入れることで、小学校入学後もそのまま「放課後等デイサービス」へ繋がります。この一貫した支援の流れが、利用者様にとっても安心材料になり、経営の安定にも繋がっています。
保健師さんや市役所との連携
3歳児検診などで相談を受ける保健師さんとの繋がりは非常に重要です。私は地元の会議やイベントには必ず足を運び、顔が見える関係を作ってきました。息子を通じて市役所関係の知り合いが多かったこともありますが、地道な広報活動が「保健師さんからの紹介」や「お母さん同士の口コミ」を生んでいます。
隙間を埋める「スポット利用」の提案
月末に翌月のスケジュールを確認し、空きがあるタイミングで「この日、ご利用いかがですか?」と積極的にお声がけします。放デイが足りていない地域なので、スポットでも使いたいというニーズは確実にあります。

5. 運営のこだわり:地域社会に溶け込む「リアルな活動」
——他事業所との差別化についてはどうお考えですか?
島田様: 木の葉クラブでは、公園への散歩だけでなく、地域のイベントに積極的に参加します。子どもたちが作った味噌をご近所に配ったり、パティシエの方とコラボして焼き菓子を販売したり。 テレビ番組でも私たちの活動が紹介されました。「障がいを隠すのではなく、地域の一員として活動する」。この方針に共感してくださる親御さんが集まってくれています。
また、独自のプログラムとして健生オリジナルの教材「CoCoRoMap(ココロマップ)」という機器もビジョントレーニングで導入しています。意外にも小さい「児発」の子たちが夢中になって、サンタのそりのゲームなどで楽しそうにトレーニングしていますよ。
また、職員の教育では「共有」を大事にしています。毎朝のミーティングや「なんでもノート」での情報共有。
そして健生さんは、複雑な処遇改善加算や最新の義務化事項(虐待防止など)を適時教えてくれる、いわば私たちの「命綱」。事務的な不安を健生さんが取り除いてくれるからこそ、私は現場や地域活動に集中できています。

6. 今後の展望:親子ともに「ホッとできる場所」であり続けるために
——最後に、これから開業を考えている方へメッセージをお願いします。
島田様: 5年経営してきて、子どもたちの笑顔を見るたびに「ここを開いていなかったら、この子たちはどうしていたんだろう」と思うことがあります。 放課後に子どもが「ホッとできる」場所、そして親御さんが安心して預けられる「レスパイト(休息)」の場所。そんな親子両方をサポートできる場所が、まだまだ世の中には必要です。
最近では不登校のお子さんのための訪問看護ステーションとの提携も始めました。2店舗目の要望もいただきますが、まずは今の質を落とさず、訪問看護ステーションとも提携しながら「心のケア」まで含めた質の高い支援を続けていきたい。開業は大変なことも多いですが、地域に必要とされる喜びは、何物にも代えがたいですよ。
【取材後記】 島田様の「母」としての情熱と、「教員」としての冷静な分析力が、木の葉クラブの強い基盤となっていました。健生は、そんなオーナー様の想いをカタチにし、5年、10年と続く安定経営をこれからもバックアップしてまいります。



