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2022.11.18
コラム放デイ

放課後等デイサービスがつぶれる4つの原因とは?つぶれない放デイを運営する2つのコツ

放課後等デイサービスがつぶれることはある?

結論から言うと、放課後等デイサービスも閉鎖することがあります。

2017年4月に施行された人員配置基準の見直し後、多くの事業所が基準を満たせずに閉鎖に追い込まれました。2017年4〜9月には369ヶ所の事業所が廃止または休止され、その内130ヶ所が人員配置基準を満たせなかったためです。

この背景には、2012年の法改正で新設された放課後等デイサービスの運営条件が緩やかで、事業参入が容易だったことがあります。しかし、営利目的のずさんな運営が増え、質の低いサービスが問題となりました。これを受けて2017年と2018年に基準と報酬が見直され、適切なケアを提供できない事業所が閉鎖される結果となりました。

福祉医療機構の2020年の調査では、約37.4%の事業所が赤字経営であり、厳しい経営状況が続いています。

放課後等デイサービスがつぶれる4つの原因とは

近隣に競合事業者が多い

放課後等デイサービスがつぶれる原因の一つは、近隣に競合事業者が多いことです。

 

年々増加する事業所数に伴い、利用児童の確保が困難になっている地域もあります。特に都市部では、多くの事業所が競い合い、質の高いサービスを提供することが求められます。競合が激しいと、利用児童の確保が難しくなり、収入が安定しません。

法改正に対応できていない

放課後等デイサービスがつぶれるもう一つの原因は、法改正に対応できていないことです。

 

障害福祉サービスにおいて、3年に1度行われる法改正では、基本報酬や加算・減算が改定されます。例えば、2018年度の報酬改定では、手厚い支援が必要な児童の割合やサービス提供時間によって基本報酬が区分されるようになりました。また、「児童発達支援管理責任者選任加算」が基本報酬に組み込まれ、実質的な報酬引き下げとなりました。この結果、人員や人件費の削減を迫られる事業所も増えました。法改正に対応できない事業所は、必要な報酬加算を受けられず、経営が厳しくなります。

必要な人員が足りない

必要な人員を確保できないことも、放課後等デイサービスがつぶれる原因の一つです。

 

放課後等デイサービスでは、児童指導員や保育士などの特定の職種が定められており、最低限の配置人数を満たさないと「人員欠如減算」の対象となります。この減算は、欠員が解消されるまで全利用者に適用され、報酬が大幅に減少します。具体的には、欠員が2ヶ月続くと報酬が30%減算され、3ヶ月を超えると50%減算されます。また、自治体からの指導後も欠員が続く場合は、事業所の休止勧告が出される可能性があります。

集客が上手くいっていない

集客が上手くいっていないことも、放課後等デイサービスがつぶれる原因の一つです。

 

放課後等デイサービスの利用代金の9割は公費で賄われるため、価格競争はありません。しかし、利用者が集まらなければ収益も上がらず、経営が厳しくなります。特に、人口の多い地域では競争が激化し、質の高いサービスを提供していても、多くの人に認知されなければ利用者は増えません。口コミだけに頼るのではなく、効率的かつ効果的な方法で集客力を高めることが求められます。しかし、契約数を増やすことだけに注力すると、サービスの質が低下したり、学校や保護者との連携が悪くなったりして、逆に利用者が減少するリスクもあるため気を付けなければいけません。

【2024年改定】放課後等デイサービスはつぶれやすくなった?

令和6年度の制度改定により、「児童発達支援」および「放課後等デイサービス」において、5つの領域すべてを含む総合的な支援を提供することが運営基準に明記されました。

 

5領域とは、以下の5つの領域を指します。

  • 健康・生活
  • 運動・感覚
  • 認知・行動
  • 言語・コミュニケーション
  • 人間関係・社会性

 

これら5領域はもともと児童発達支援のガイドラインに明記されていましたが、今回の改定により、放課後等デイサービスにも総合的に療育を行う必要性が生じました

 

ポイントは5領域すべてに対応することが求められている点です。

そのため特定の療育内容に特化した事業所は、支援内容や運営方針の見直しを迫られる可能性があります。

 

ただし、きちんと対応できれば問題ありませんので、制度改定によって放課後等デイサービスが潰れやすくなったということはありません。

放課後等デイサービスとして生き残る運営の4つのコツ

質の高い支援を提供する

放課後等デイサービスが長期的に生き残るためには、質の高い支援を提供することが不可欠です。

 

2021年度の法改正と報酬改定では、利用者一人ひとりのニーズに合わせた専門的な支援を行う事業所が評価されるようになりました。具体的には、難聴児のサポート強化を目的に、児童指導員等加配加算の対象に「手話通訳士」と「手話通訳者」が追加されました。また、サービスの質向上を目的に、専門職を常勤で配置した場合に算定できる「専門的支援加算」が新設されました。

 

これらの動きからも分かるように、専門性の高い支援を提供することが評価される時代です。他の事業所との差別化を図るためにも、特色ある療育プログラムを導入し、専門知識を持つスタッフを採用することが重要です。また、保護者向けの子育て相談会や地域交流の機会を提供するなど、多角的なサービスを展開することで、他の事業所との差別化を図りましょう。

加算を取得する

放課後等デイサービスが安定的に運営するためには、可能な限り多くの加算を取得することが必要です。

 

例えば、「児童指導員等加配加算」では、

  • 常勤専従・経験5年以上で75~187単位/日
  • 常勤専従・経験5年未満で59~152単位/日
  • 常勤換算・経験5年以上で49~123単位/日
  • 常勤換算・経験5年未満で43~107単位/日

といった加算が得られます。

 

さらに、送迎加算や欠席対応加算など、利用者の日常生活をサポートするための加算も積極的に取得するべきです。

 

これらの加算を確保することで、事業所の収益を安定させることができます。法改正や報酬体系の変更にも柔軟に対応できるよう、常に最新の情報を収集し、加算の要件を満たすための取り組みを継続的に行うことが重要です。

人材を定着させる

放課後等デイサービスの運営において質の高いサービスを維持するためには、スタッフの定着が欠かせません。人員が不足すると、サービスの質が低下し、基本報酬の減算につながる可能性があるからです。

 

また、少子化の影響や報酬改定により、今後ますます人材の確保が難しくなることが予想されます。人材を定着させるためには、働きやすい環境を整えることが重要です。具体的には、賃金や福利厚生の充実、労働時間の見直しなどを行い、スタッフが安心して働ける職場環境を提供することが求められます。さらに、評価制度の導入や定期的な面談を実施し、スタッフの成長をサポートすることも重要です。

集客に力を入れる

放課後等デイサービスが成功するためには、効果的な集客活動が欠かせません。特に人口の多い地域では競争が激しく、事業所の認知度を上げるための戦略が重要です。

 

SNSを活用して情報を発信することや、Googleビジネスプロフィールに登録してMEO対策を行うことが効果的です。また、見学会や体験会の実施、地域イベントの開催など、直接利用者と触れ合う機会を増やすことも大切です。保護者を対象とした育児相談会を定期的に開催し、信頼関係を築くことも集客に繋がります。

 

さらに、質の高いスタッフの在籍をアピールし、専門性のあるサービスを提供していることを強調することも有効です。相談支援事業所への営業活動も忘れずに行い、地域内でのネットワークを強化することで、利用者を増やすことができます。これらの集客活動を通じて、事業所の魅力を広く伝え、競争の激しい市場で生き残るための基盤を築きましょう。

つぶれない放課後等デイサービスを開業する3つのポイント

支援プログラムを明確にする

放課後等デイサービスを成功させるためには、提供する支援プログラムを明確にし、それを利用者にしっかりと伝えることが重要です。プログラムの具体的な内容と、それがどのように子どもたちの成長や発達をサポートするかを分かりやすく説明することで、利用者の信頼を得ることができます。

 

例えば、個別療育プログラムやグループ活動の詳細を明示し、それらが子どもの社会性の向上や生活スキルの習得にどのように寄与するかを具体的に説明します。さらに、プログラムの目的や期待される成果を保護者にしっかり伝えることで、信頼性を高め、安心感を提供できます。また、他のデイサービスとの差別化を図るために、自社のプログラムが独自に工夫されたものであることを強調することも重要です。業界のトレンドや地域のニーズを把握し、競合他社とは一線を画す支援プログラムを開発することが成功の鍵となります。

独自のサービスを提供する

質の高いサービスを提供することはもちろん、他の放課後等デイサービスと差別化を図るためには、独自のサービスを展開することが必要です。保護者にとって、どのサービスも似通って見えることが多いため、特化した支援やユニークなサービスを提供することで差別化を図ることが重要です。

 

例えば、特定の療育プログラムに強みを持つ、専門的なカウンセリングサービスを提供する、あるいは独自の送迎サービスを行うなど、他社にはない特徴を打ち出すことが効果的です。また、地域の特性や利用者のニーズをしっかりと把握し、それに応じたサービスを提供することも重要です。例えば、地域の学校や医療機関との連携を強化し、総合的な支援体制を整えるのもよいでしょう。これにより、保護者からの信頼を得やすくなり、長期的な利用者の確保につながります。独自性を持ったサービスを展開することで、競争の激しい市場で選ばれるデイサービスを実現することができるのです。

開業予定のエリアを事前にリサーチする

どのような事業でも同じですが、開業する前にそのエリアを調べておくことは非常に大切です。競合があまりにも多いエリアでは、経営が厳しくなり潰れてしまう可能性が高まります。また、そもそも子どもの少ない地域などでも運営が難しいでしょう。その立地なども含めて、きちんとリサーチしておくことが重要です。せっかく開業しても集客できなければ運営を続けていくことは厳しいですし、そもそも競合が多すぎて供給過多だったことを開業後に知っても間に合いません。

 

開業する前に、その土地の特徴や子どもの数、立地、競合の有無などをしっかりと調べ、将来性のあるエリアかどうかを知っておきましょう。

 

まとめ【放課後等デイサービスがつぶれる原因と生き残るコツ】

放課後等デイサービスが2類型に分けられたように、これから様々な規定ができる可能性があります。もしかすると、放課後等デイサービスが立ち上がり過ぎて、総量規制がかかるかもしれません。

 

政府からは放課後等デイサービスを立ち上げるだけではなく、質の高いサービスを行わなければいけないといった通達もありました。放課後等デイサービスは質が求められるフェーズに入りつつあるのです。

 

 そんな質の高い放課後等デイサービスの立ち上げ支援を提供できるのがKensei療育.netです。一般のフランチャイズでは立ち上げまでをマニュアル通りに教えて、立ち上がったらそのまま放置されてしまうところも少なくありません。しかし、Kensei療育.netでは事業者ひとりひとりに合わせて、開業の仕方をカスタマイズしてサポートする寄り添い支援を行っています。また、開業予定エリアのリサーチを行う「参入診断サービス」を利用することも可能です。立ち上げようとしている地域は、総量規制が無いのか、開業に適している土地なのか、どのようなリスクがあるのかKensei療育.netが調査します。開業した後にその地域について知るのでは、対処のしようがありません。開業前にきちんと調査をしたうえで開業地域を選びましょう。その際にはKensei療育.netの「参入診断サービス」がきっと役立つかと思います。そのほかの面でも様々なサポートを行っていますので、放課後等デイサービスの立ち上げを検討している方はぜひKensei療育.netの利用をご検討ください。

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