放課後等デイサービス事業者が、いま本気で向き合うべき「こども性暴力防止法」
事業者が、いま本気で向き合うべき「こども性暴力防止法」
近年、こどもに対する性犯罪・性暴力は、決して一部の特殊な場所だけで起きている問題ではありません。
警察庁のデータによれば、令和4年における少年が主たる被害者となる強制性交等・強制わいせつの認知件数は2,776件。児童ポルノ事犯の検挙件数や被害児童数も、いずれも前年から増加しています。
そして、報道を振り返ると、学校、塾、保育所、児童福祉施設、さらには放課後等デイサービスの職員や運営関係者が逮捕・処分される事例も複数確認されています。
性暴力はこどもの心身にも深刻な影響を及ぼし、こどもの人権を著しく侵害する極めて悪質な行為で、断じて許されるものではありません。
「信頼される立場」「日常的に子どもと関わる立場」にあるからこそ、加害が起きたときの影響は極めて深刻です。
こうした現状を背景に成立したのが、2026年12月25日から施行予定のこども性暴力防止法です。
[正式名称]
学校設置者等及び民間教育保育等事業者による児童対象性暴力等の防止等のための措置に関する法律(令和6年法律第69号)
放課後等デイサービスは「義務の対象事業」
障害児通所支援事業(児童発達支援・放課後等デイサービス)は、
学校や保育所と同様に、法律上「義務」の対象となる事業として明確に位置づけられています。
その理由は、放課後等デイサービスの事業特性が、
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子どもに対して指導・支援を行う「支配性」
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継続的・日常的に関わる「継続性」
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保護者の目が届きにくい場面が生じうる「閉鎖性」
という、性暴力が起きやすいとされる3要件を満たすと整理されているためです。
「刑事罰がなくても対象になる」行為がある
本法で対象となる「児童対象性暴力等」は、非常に広く定義されています。
重要な点として、
児童本人の同意の有無、暴行や脅迫の有無を問いません。
また、刑事罰が科されなかった行為であっても、該当し得ると明記されています。
具体的には、
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性交・わいせつ行為
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性的な部位への接触
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下着や身体の盗撮、盗撮目的での機器設置
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性的羞恥心を害する言動
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児童ポルノ・性的姿態の撮影や保存、送信 など
「犯罪として立件されなかったから問題ではない」という整理は、
この法律の下では通用しないことが明確になっています。
事業者に求められる「具体的な対策」
放課後等デイサービス事業者には、単なる理念や注意喚起ではなく、具体的な措置を講じる義務が課されます。
① 日常的な安全確保措置
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子どもとの面談等による異変の早期把握
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子どもが相談しやすい体制の整備
② 疑いが生じた場合の対応
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事実確認・調査
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被害児童の保護・支援
③ 職員への研修
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児童対象性暴力等に関する理解
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未然防止・再発防止のための研修実施
④ 性犯罪歴の確認
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雇入れ時、配置転換時の確認
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現職者も施行後3年以内に確認
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その後5年ごとの定期確認
※特定性犯罪(不同意わいせつ、児童買春、児童ポルノ所持、盗撮、痴漢、未成年淫行 など)の前科はこども家庭庁を通して確認をします。
※特定性犯罪 前科が確認された場合は、
「おそれがある」として、こどもと接する業務に従事させない等の防止措置が必須とされています。

情報管理措置について
特定性犯罪前科は非常に機微な情報なため、事業者には適正な情報管理が求められます。
- 犯歴情報の適正な管理
- 犯歴情報の目的外利用・第三者提供の禁止
- 犯歴情報の漏えい報告
- 不要となった犯歴情報の即時廃棄、削除
- 情報の秘密保持
「知らなかった」では済まされない時代へ
こども性暴力防止法は、単に「悪い人を排除する法律」ではありません。
事業者が、以下を問われる法律です。
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子どもの安全を守る体制を整えているか
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職員を守るためのルールが明確か
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万一の際に、適切に対応できる準備があるか
こどもへの性暴力の防止は社会全体で取り組むべき課題です。
放課後等デイサービスは、子どもにとって「安心できる居場所」であると同時に、
事業者にとっては「高い責任を伴う場」であることを、改めて突きつけられていると言えるでしょう。
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疑問、質問だけでも大丈夫です。
まずは下記リンクよりお気軽にお問い合わせください。
※こども家庭庁の発表をもとに作成しています。発表に伴い、内容に変更がある可能性があります。
※情報の正確性には万全を期しておりますが、その内容の正確性及び安全性を保証するものではございません。
▶こども性暴力防止法(学校設置者等及び民間教育保育等事業者による児童対象性暴力等の防止等のための措置に関する法律)


