放課後等デイサービスの報酬の仕組みとは?報酬の受け取りに関する3つの注意点も解説!
放課後等デイサービスを提供する施設やスタッフの方々にとって、報酬の仕組みは重要な課題の一つです。そこで、この記事では、放課後等デイサービスの報酬の仕組みを解説します。
放課後等デイサービスの報酬の仕組みについて理解を深め、開業への第一歩を踏み出しましょう。
放課後等デイサービスの報酬の仕組み
放課後等デイサービスの報酬の仕組みについて解説していきます。
報酬の仕組み①:報酬は9割が公金・1割が利用者負担
放課後等デイサービスの報酬の仕組みにおいて、重要なポイントは公金と利用者負担の割合です。
実際の報酬は、9割が児童福祉法に基づいた障がい児通所給付金として自治体から事業所への支払いとなり、残りの1割が利用者の自己負担となります。
この仕組みにより、放課後等デイサービスの運営費用を公的な支援がカバーし、利用者には負担を抑えた料金設定が提供されることとなります。
報酬の仕組み②:利用者負担額は上限がある
放課後等デイサービスにおける利用者負担額には上限が設定されています。
つまり、利用者が支払う金額には限度があり、過度な負担を防ぐための仕組みが導入されています。これにより、利用者は自身や家族の経済的な負担を最小限に抑えつつ、サービスを利用できるメリットがあります。
報酬の仕組み③:加算により報酬が増える
報酬の仕組みには、加算によって報酬が増える仕組みも存在します。
具体的には、放課後等デイサービスが特定の条件を満たす場合、報酬が追加的に支給されることがあります。これは、サービスの品質向上や特定のニーズに対応するために、報酬を増やすインセンティブです。
報酬の仕組み④:減算により報酬が減る
一方、報酬の仕組みには減算によって報酬が減るケースも存在します。
これは、放課後等デイサービスが一定の要件を満たさない場合や、適切なサービス提供が行われていない場合に適用される制度です。報酬の減算は、サービスの品質維持や適正な運営を促すための仕組みとして導入されています。
放課後等デイサービスの報酬の算出方法
放課後等デイサービスの報酬の算出方法は以下のとおりです。
基本報酬
基本報酬は、児童1人が利用した際に発生する報酬のことを指します。
具体的には、サービス提供時間の区分や医療的ケア児の該当の有無・点数によって報酬単位が定められています。この基本報酬は、放課後等デイサービスの提供内容や時間に応じて適切な報酬額が算出される基盤となります。
放課後等デイサービスの総利用額や報酬は、「単位」という数字を基本として計算します。放課後等デイサービスの基本単位は下記のとおりです。
- 児童発達支援:885単位
- 放課後:604単位
- 休校日:721単位
加算
加算は、放課後等デイサービスの報酬に追加される要素です。
具体的には、利用者の特性や支援が必要な度合いに応じて、報酬にプラスされます。例えば、個別支援計画や医療的ケア児の支援内容に基づいて加算が行われることがあります。加算は、利用者の個別のニーズやサービスの質の向上を促進し、より適切な支援が提供されるようになります。
減算
減算は、放課後等デイサービスの報酬から差し引かれる要素です。
報酬の減算は、適切な支援が提供されなかった場合や違反行為があった場合に行われます。減算は、サービスの適正な提供を促し、報酬の公平性と品質を維持するために重要な役割を果たします。
放課後等デイサービスで報酬を受け取る流れ
放課後等デイサービスで報酬を受け取る流れを確認していきましょう。
総利用額を算出する
放課後等デイサービスで報酬を受け取る際、まずは総利用額を算出します。
総利用額は、利用者が実際にサービスを利用した月の利用料金の合計額を意味します。この算出は、加算や減算も加味した利用者の実際のサービス利用状況に基づいて、月末締めで行われます。
利用者負担上限額管理結果票を提出する
利用者負担上限額管理結果票の提出は、報酬を受け取るために必要な手続きの一つです。
もし事業所で上限管理を行わない場合は、サービス提供月の翌月3日ごろまでに「利用者負担額一覧表」を作成し、上限額管理事業所に提出します。上限額管理事業所は、受け取った「利用者負担額一覧表」をもとに「利用者負担上限額管理結果票」を作成し、サービス提供月の翌6日までに関係施設に提出します。
国保連に各書類を提出する
報酬を受け取るためには、国保連に各種書類の提出が必要です。
具体的には、サービス提供月の翌月10日までに国民健康保険団体連合会(国保連)に「障害児通所給付費・入所給付費等請求書・明細書」と「サービス提供実績記録票」を提出します。また、上限管理を行う利用者がいる場合は「利用者負担上限額管理結果票」も提出が必要です。
提出は原則として、国保連が提供する「簡易入力システム」または「取込送信システム」を利用してインターネットで行います。
報酬を受け取る
放課後等デイサービスで報酬を受け取る時期は、サービス提供月の翌々月の中旬から下旬です。
報酬は、総利用額や上限額管理結果などを考慮して計算され、適切な支払いが行われます。報酬の受け取りには、前述の手続きが正確に行われることが不可欠です。
放課後等デイサービスで報酬を受け取る際の3つの注意点
放課後等デイサービスで報酬を受け取る際は、以下の点に注意しましょう。
報酬の受け取りには1ヵ月半かかる
放課後等デイサービスで報酬を受け取る際には、報酬の受け取りに時間がかかります。
報酬の計算や手続き、各種書類の提出など、複数のステップを経て支払いが行われるため、通常では1ヵ月半程度の時間を要します。このため、報酬の受け取りを予定に組み込み、適切な予算管理を行うことが重要です。
請求業務が負担になりやすい
請求業務が負担になりやすいことにも注意が必要です。
報酬の計算や請求書・明細書の作成、必要な書類の提出など、請求に関わる業務は煩雑かつ時間を要する場合があります。正確な情報の記載や期限の厳守など、細かな作業が求められます。
事業所やサービス提供者は、請求業務の負担を軽減するために、効率的なシステムや適切な経理体制を整えることが重要です。
加算・減算により報酬が増減する
放課後等デイサービスで報酬を受け取る際には、加算・減算によって報酬額が増減することにも留意が必要です。
加算は、特定の条件やサービス内容に基づいて報酬が追加されることを意味します。例えば、医療的ケア児のケア時間やサービス提供時間の延長などが該当します。一方、減算は、報酬が削減されることを指します。例えば、利用者負担額の上限を超えた場合や、サービス提供の不備があった場合に減算されることがあります。
放課後等デイサービスを黒字運営するコツ
放課後等デイサービスを黒字運営するコツを4つご紹介します。
加算・減算を意識して運営する
放課後等デイサービスを黒字運営するための重要なポイントの一つは、加算・減算を意識して運営することです。
加算は報酬を増やすチャンスであり、例えば医療的ケア児のケア時間やサービス提供時間の延長などが該当します。加算対象となる条件や要件を把握し、適切な記録や報告を行うことが必要です。一方、減算は報酬の削減を招く可能性があります。上限額を超えた利用者負担やサービス提供の不備などが減算の要因となります。
加算・減算を正確に把握し、報酬の最適化に努めることが黒字運営への重要なステップです。
離職率を下げる取り組みを行う
放課後等デイサービスの黒字運営において、離職率の低下は大きな意義を持ちます。
スタッフの定着度が高ければ、継続的なサービス提供の安定性や質の向上に繋がるからです。離職率を下げるためには、働きやすい環境づくりやスキルアップの機会の提供、適切な報酬体制の整備などが重要です。
職場のコミュニケーションや労働条件の改善、職員の意見や要望への対応など、スタッフの満足度を高める取り組みを行いましょう。
他の放デイと差別化を図る
黒字運営を目指す放課後等デイサービスでは、他の競合施設との差別化が重要です。
顧客のニーズを把握し、それに合わせた独自のサービスやプログラムを提供することで、顧客の選択肢の一つとなります。例えば、専門的なカリキュラムや特色あるイベント、地域との連携プログラムなど、他の放デイとは異なる価値を提供しましょう。
差別化により集客力を高め、結果として黒字運営を実現することができます。
開業前に商圏調査を行う
放課後等デイサービスを黒字運営するためには、開業前の段階で商圏調査を行うことが重要です。
商圏調査により、競合施設の存在や需要の有無、地域の特性や人口動態などを把握することができます。これにより、需要の高い地域やニーズのある層を見極め、サービスの適切な立地やターゲット設定を行うことができます。
商圏調査は事前の計画段階で行うことで、適切な経営戦略を策定し、黒字運営を実現する一助となります。
まとめ
今回の記事では、放課後等デイサービスの報酬の仕組みについて解説してきました。
放課後等デイサービスの報酬は加算や減算などがあり、請求業務が負担になってしまう場合もあります。専門業者に請求業務や運営のサポートをしてもらうといいでしょう。
放課後等デイサービスを開業する際は、ぜひKensei療育.netへご相談ください。
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